現代の解釈をアップデートし、上質なスタンダードを提案するお店
BEAMSのドレスレーベルとして1978年に誕生。F(フューチャー)という名前の通り、スタンダードに現代的な解釈を加え、未来に向かって常にアップデートを続けています。今年の10月末には、原宿の明治通り沿いにあった路面店から隣接ビルへ移転。インターナショナルな感覚で、よりトレンドを意識したレーベル「インターナショナルギャラリー ビームス」、修理とリメイクを行う「ビームス工房」と一緒に、ワンフロア構成の新たなお店に生まれ変わりました。
世代によって、懐かしくも新鮮でもある定番ニット
年々、服装のカジュアル化が進んでいることもあり、スーツなどの重衣料をメインに取り扱うお店が減ってきています。そういう時代の中でも、「BEAMS F」としてはドレスクロージングという軸をぶらさずに、変わっていくものと変わらないものをしっかりと目利きしていきたいという想いがあります。
そういう意味では、マカラスターのニットは‟変わらない定番”という立ち位置だと思います。弊社クリエイティブディレクターの中村に話を聞いたところ、1992年頃にはすでに取り扱いがあったそうです。その後、「インターナショナルギャラリー ビームス」の方に移ったりと、時代に合わせて紆余曲折があったようですが、ちょうど私がアシスタントバイヤーになった2〜3年ほど前からは再度BEAMS Fにて取り扱っています。そんな背景があるからこそ、昔から通ってくださる顧客様にとっては懐かしく、一方で私を含めた20〜30代にとっては新鮮なブランドとして映り、広い世代のお客様から愛されています。
2021年秋冬シーズンでは、定番カラーのLT. LIMESTONE(ライトグレー)やLT. GRAPHITE(ライトブラウン)のほかに、別注のCOMO(ターコイズブルー)のクルーネックニット、マルチボーダー柄のニットをバイイングしたのですが、6月に開催したオンライン予約会の時点で大反響。現在は、ほとんど完売状態になっています。近年では英国ブランドの人気も高いですし、イギリス伝統のハンドフレーム製法で、1着に時間と手間をかけながら作っているという生産背景など、バイイングに気持ちが入る理由がたくさんありますよね。それでいて、手に取りやすいプライスも魅力だと思います。まさに、どの世代にとっても定番にふさわしいニットブランドなのではないでしょうか。
上質なアイテムをモノトーンにまとめ、品の良さを演出
「上質なダッフルコートやウールパンツなどを合わせた、“大人の休日スタイル”です。黒のアウターが重い印象にならないように、インナーには明るいグレーのニットをセレクト。全体をモノトーンのグラデーションにすると、まとまった印象に見せることができます」
ブリティッシュウールの弾力性とメリノウールのしなやかさを堪能できる、定番のクルーネックニット。熟練の職人による、イギリスの伝統的なハンドフレーム製法で編み上げられた、やわらかで温もりのある風合いが特長です。
レイヤードで長短をつけ、視覚的な縦長効果を演出
「英国ブランドの〈バブアー〉のショート丈ブルゾンをメインに、インナーのニットの中にシャツを重ねて、視覚的に縦長に見えるレイヤードスタイルを意識しました。ベージュやブラウンなどの暖色系に黒系のアイテムを合わせて、着こなしにメリハリを」
上のスタイリングで使用したものと同じモデル。シャツとのレイヤードの際に、襟が美しく出るようにネックの詰まり具合を調整しているのが魅力です。大人の男性に似合う上質なニットとして着こなしを格上げしてくれます。
鮮やかなニットを主役に、男らしいアイテムをプラス
「インパクトのあるマルチストライプ柄のニットを前面に押し出したスタイルです。あえて男らしいミリタリーパンツを合わせることで、かわいく見え過ぎないように中和しました。柄やカラーに主張のあるニットは、さらっと着こなすのがおすすめです」
秋冬シーズンの着こなしを新鮮に見せるマルチストライプは、BEAMS Fの別注カラー。配色のバランスにこだわることで、上品な印象を演出しました。ダークカラーのコートやブルゾンのインナーとしても活躍します。
BEAMS F バイヤー兼プレス
芹沢 良輔さん
1992年生まれ、静岡県出身。学生時代よりアルバイトとして、「BEAMS」で勤務し、2015年に入社。「BEAMS F 新宿」で販売スタッフを経験した後、2018年に「BEAMS F」のアシスタントバイヤーに抜擢。2021年9月より現職に。現在は、バイイング業務と並行してPR業務も担当する。
BEAMS F(ビームス F)
東京都渋谷区神宮前3-25-15 神宮前テラス2F
03-3470-3946
11:00〜20:00
不定休
https://www.beams.co.jp/shop/f/
photo Kenichiro Higa text K-suke Matsuda(RECKLESS)